NEMTUSとしての今後のイベント参加や他プロジェクトとのコラボレーションに対するポリシーの共有(NEM/Symbolコア開発者の一人のHatchetさんからのメッセージを添えて)

イベント参加やコラボレーションのイメージ お知らせ

NEMTUSの今後の活動として、外部のイベントへの参加や他プロジェクトとのコラボレーションを積極的に進めていき、NEM/Symbolの世界を広げていくことはとても重要だと考えています。

しかし、迂闊な行動がNEMTUSやNEMやSymbolやブロックチェーンの評判を下げてしまう結果につながるのは避けたいと思っていて、外部とのつながりに前のめりになりすぎてしまった結果、好ましくないイベントへの登壇や好ましくないプロジェクトとのコラボレーションを進めてしまうといった事態を避けるにはどうすればよいのか… という悩みがどうしてもあります。

この点について、各方面で相談させてもらったところ、NEM/Symbolブロックチェーンのコア開発者の一人のHatchetさんから、とても良いメッセージを頂き、同時に公開許可も頂いたので、この記事で紹介させてもらうとともに、NEMTUSとして考えている今後のコラボレーションにおけるポリシーを皆様に共有させてもらいたいと思います。

Hatchetさんからのメッセージの紹介

きっかけは、NEMTUS内部にて「例えば今後こういうイベントへの参加可否判断が必要な局面があったらどうしたものか?」という議論でした。NEMTUS内部でもなかなか議論がまとまらず、コミュニティの各方面に色々相談させて頂く中で、以下のようなメッセージをHatchetさんから頂きました。普段のtwitterでの切れ味鋭いコメントとは一味違ったすごく良い文章だと思ったので以下にて紹介させて頂きます。( 日本語のメッセージはNEM/Symbol界隈でさまざまな翻訳活動を通じて貢献してくださっているRadioさんのご協力の元、若干文章を整えさせてもらいました。 )

メッセージ

Hello, my friend! Thank you for reaching out.
皆さんごきげんよう!メッセージありがとう。

I think it is perfectly fine for NEMTUS to talk at this event – after all, any publicity is good for us. As we continue to grow – both as a protocol, and as a community – we will have to share our limelight and ecosystem with some scandalous, unscrupulous projects. Some of them will be outright scams.
NEMTUSの皆さんがイベントに登壇し話をすることは、全くもって正しいと思います。結局のところ、どのような形でも公の場に出ることは、私たちにとって良いことだからです。私たちやエコシステムへの注目は、プロトコルとしてもコミュニティとしても成長をし続ける中で、時にスキャンダラスであったり、非良心的なプロジェクトと出くわすこともあるでしょう。中には明らかなスキャムもあるでしょう。

This is the nature of cryptocurrency – when something cannot be governed, it becomes a lawless empire. We can’t stop every scam, but what we can do is twofold: we can lead by example, and we can educate people on what “good” looks like.
うまく制御することができない時、無法地帯と化す。これはクリプト界隈の常です。私たちは全てのスキャムを止めることはできませんが、できることがふたつあります。例を示して導くこと、そして「良い」こととはどのようなものかを啓発することです。

We can attend events and show that not every project needs to lead with underhanded tactics (like market manipulation). We can show other projects and protocols that one can be ethical, honest, kind, and still successful. It is up to us – the community (including the Pirates) – to show that the formation of Ethereum’s community was not a “black swan” event and can never be replicated.
私たちはイベントに参加して、どんなプロジェクトであっても、決して(市場操作などの)姑息な策略を用いる必要などないのだと示すことができます。私たちは他のプロジェクトやプロトコルに対して、倫理的で、正直で、優しくあっても、成功を手にできると示すことができます。Ethereumコミュニティの形成は決して「ブラックスワン(予測不能で衝撃的な出来事)」で再現不可能なことではないと示すことができるのは、(海賊を含む)コミュニティである私たち次第なのです。

It is up to us to prove that there is still hope for cryptocurrency, and to act as a bastion of integrity.
誠実さを保つための砦として行動するのも、暗号資産にまだ希望があることを証明できるかどうかも、私たち次第なのです。

As long as you are honest, you will be ok. Don’t overpromise, and don’t look at other protocols or projects with envy. Be patient. Be passionate. Be intellectually honest. Do not be ashamed of where we are – and don’t be ashamed to talk about our roots.
誠実であるかぎり、あなたは大丈夫です。できない約束はせず、他のプロトコルやプロジェクトを羨むことなく、忍耐強く、情熱的でありましょう。知的に誠実でありましょう。私たちの現在地点を恥じることなく、そして私たちの原点について話すことを恥じることなく。

Talk about the lessons you – as a community – learned. Talk about NEM and Symbol – where we came from, where we were, and where we are now. Talk about the improvements we made – as a community. Talk about COMSA and the met averse you’ve been building in Cluster. Talk about Tomatina. Talk about what Symbol means to you, and why you’re excited about its future.
話してください。あなたが学んだこと、コミュニティとして学んだこと。NEMとSymbolについて、どこから来て、どこを経て、そして今どこに居るのかを、話してください。コミュニティが行った改善について、話してください。COMSA(※1)や、クラスターに創り上げたメタバース(※2)の話を。トマティーナ(※3)の話を。そしてあなたにとってのSymbolの話を、その未来に期待する気持ちを、話してください。

Talk about the things you are building, and why you think they are important. Give your opinions on the ecosystem at large (beyond Symbol and NEM). If you would like NEMTUS to be a thought leader in cryptocurrency, you’ll need to learn about other cryptocurrencies – intimately.
あなたが築き上げているものの話を、そしてそれがいかに大切なものなのかを、話してください。エコシステム全般について(NEMやSymbolの枠にとどまらずに)あなたの意見を述べてください。NEMTUSを暗号資産のソートリーダー(thought leader)にしたいのであれば、他の暗号資産についても深く学ぶ必要があります。

Onto some guidance for future events: never claim Symbol or NEM are superior to another technology. Stay away from cryptocurrency politics. This ties back into intellectual honesty: we want to make sure we talk about the problems we are trying to solve.
今後イベントに参加するにあたっての指針として:他のテクノロジーと比較してSymbolやNEMが優れていると主張するようなことは絶対に避けること。暗号資産界隈の政治的な駆け引き(Bitcoin vs Ethereumの対立のような駆け引き)からは距離を置くこと。これらのことは私が言う知的に誠実であることに結びつきます。自分達が解決しようとしている問題を見据え、それについてしっかりと話す。それを気に留めておきましょう。

If someone asks you ‘why Symbol, over Ethereum’ talk about why you – personally – chose Symbol. Maybe you didn’t even make the choice – maybe you use both! That is okay. Talk about the merits of a Japanese-focused cryptocurrency project, or talk about the low barrier to entry and how that has really helped onboard the next wave of users into cryptocurrency.
もし「なぜEthereumではなくSymbolなのか」と尋ねられたら、あなた自身がなぜSymbolを選んだのかについて話してください。もしかしたら両方使っているかもしれません。それでも良いんです。なぜふたつを選んだかを具体的に話してください。Symbolが日本に重きを置いていることで、日本人は参加しやすくなり、それによってさらに、次の利用者が暗号資産の世界に足を踏み入れる手助けとなる点について、話してください。

If an event has a lot of participants that are large names in Japan – specifically exchanges – it’s normally safe to attend. Try to go for the bigger events (ones that ZAIF, CoinCheck, even Coinbase Japan attend).
日本の大手企業、特に取引所が多く参加しているようなイベントであれば通常参加しても安心でしょう。大きなイベント(ZaifやCoinCheck、Coinbase Japanなんかも参加するようなイベント)を狙いましょう。

Also, make sure you have merchandise to represent yourselves! Hoodies, shirts, jackets, whatever. Very important – people need to see you in ‘costume’. Finally, I strongly recommend NEMTUS’ members become very well read and researched on other cryptocurrency protocols and topics, so they can speak at length at the problems they see in the space and design solutions to address these problems.
また、自分達を象徴するようなグッズやコスチュームを用意すると良いでしょう。パーカー、シャツ、ジャケットとかなんでも。これはとても大切です。着飾ってみんなに見せびらかしましょう。そしてNEMTUSの皆さんには、他の暗号資産プロトコルや話題について知見を広め、研究し、この分野における問題についてたくさん話をできるようにして、その問題に対処する方法を描けるようになることを強くお勧めします。

When you attend these conferences you may be quizzed on all sorts of topics – PoW vs PoS, Bitcoin, Ethereum, the EVM, bridges, vampire attacks, roll-ups, modular vs monolithic blockchains, and more. You must be able to answer any-and-all questions. I’ll do my best to help teach, too.
カンファレンスに参加した時などは、PoWとPoSの比較だったり、BitcoinやEthereumについてだったり、 EVMやブリッジについてだったり、バンパイアアタックとかロールアップ、モジュール型ブロックチェーンとモノリシック型ブロックチェーンの比較とか、色々な質問攻めに会います。どんな質問にも答えられることが必要とされます。もちろん私は教えることを厭いませんよ。

We become a leading protocol in this space by leading with authenticity and intellectual honesty.
私たちは信頼性と知的に誠実であることをもって先を行き、この分野におけるリーディングプロトコルとなるのです。

Finally, in closing – once upon a time, my mentor said to me, “take the hard right over the easy wrong, every time”. This is my advice. It means to always do the right thing – no matter how difficult or unfulfilling it may be in that moment. It will always benefit you.
I believe in karma, and my experience tells me that one day, karma will reward our hard work.
最後に結びの言葉として。その昔師匠が私に「常に道なき道を行きなさい。人は安易な道を選びがちだが、真実は困難の先にあるのだから」と言いました。これは私からのアドバイスです。今その瞬間がどんなに困難で満たされなくても、常に正しいことをしなさいという意味です。それが必ず自分のためになるのです。私は業(カルマ)を信じますし、経験上、業は、いつかその努力に報いてくれると思うのです。

(以下Hatchetさんからの日本語でのメッセージ)

最後にもうひとつ。私は時々、悪徳業者や詐欺が存在するイベントで(Hatchetではなく私自身として)話をすることがあります。これは、私が模範を示し、誤った情報を正し、暗号通貨のエコシステムを少しでも詐欺的でないものにするために、自分の役割を果たせればと思うからです。
NEMTUSのメンバーがこの分野のリーダーとなって、いつか同じようなことをやってくれることを期待しています。

※1, 2のリンクは後からNEMTUSにて追加させてもらっています。

※2については直近のDoor上での月刊NEMTUSのYoutubeアーカイブ動画のリンクを貼らせてもらいましたが、むしろNEMTUS以外のNEM/Symbolコミュニティの様々な方々が先陣を切って、以下リンクのような素敵なメタバース空間をCluster上で作って楽しんでくださっていたという背景があります。

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※3のトマティーナのイベントについては以下のtwitterが参考になるかもしれません。

個人的に、一通り読んでみて、すごく良い文章だなあと思いました。日本語、英語、どちらの文章も、ぜひ一度、じっくりと読んでみることをお勧めします。

NEMTUSの今後の協業ポリシーについて

Hatchetさんからの熱いメッセージも心に留めながら、NEMTUSとしての今後のイベント参加やコラボレーションのポリシーを考えてみました。

基本となるポリシー

  1. 良い行動・正しい行動を心がけ、
  2. 正直・誠実に振る舞い、
  3. 他者へのリスペクト・寛容を持ち、
  4. 色々な意見に耳を傾けながら、
  5. NEM/Symbol, ブロックチェーンの可能性やそれに対する自らの思いを熱意をもって伝えていく

書いてみるとちょっと青臭く気恥ずかしいような気もします。そして当たり前のことのようにも思います。

しかし、貪欲かつ短期的に見えやすい成果のみを求めようとすると、意外と見失ってしまうことが多いようにも感じます。何か迷った時には心にこのポリシーを思い起こして、自らの行動をより良い方向に向けられるといいなあと思っています。

参加するイベントや他プロジェクトへのコラボレーションについて

前述した基本となるポリシーを守って行動できるようなイベントやコラボレーションにはどんどん積極的に関わっていきたいと思っています。

しかし、イベントへの参加やそのコラボレーションによって前述した基本となるポリシーを守ることができないようなものもあるでしょう。その場合は参加しない or コラボレーションしないという方針で臨もうと考えています。

また、状況が変化してポリシーを守れなくなったような場合もあるでしょう。その場合は、参加していたとしても途中で参加を見合わせたり提携を解消したりするといった方針で臨もうと考えています。

NEMTUSとしてもきちんと各種イベントやコラボレーションの評価をしていくつもりですが、NEMTUSだけの判断ではどうしても限界がある部分もあると思うので、皆様の方でもNEMTUSの取組で気になるところがあったら、お気軽にフィードバックや助言頂けると助かります。

とはいえ

ここまでなんだか偉そうな話をしましたが、そうはいっても、このポリシーを書いているNEMTUSのメンバー自身も人間なので、このポリシーを完璧に体現できない局面もきっとあるでしょう。その際には、コミュニティの皆様からぜひフィードバックやアドバイスを頂けるとありがたいです。

今後ともNEMTUS、NEM/Symbol、ブロックチェーンを引き続きよろしくお願いします。

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